二人会 ー実力派の日本舞踊舞踊家 花柳基・藤間恵都子による二度目の饗演ー

2023年公演以来、二度目の開催は観世能楽堂で!
こんにちは、日本舞踊家の藤間恵都子です。
今年再び花柳基氏との「二人会」を開催する事になりました。2023年に国立小劇場で第一回公演を開催して以来、二度目の公演となります。
今回は銀座SIXにある観世能楽堂にて、ハートフルウォーミングな狂言物、長唄「木六駄(きろくだ)」に挑戦します。また常磐津「子宝三番叟(こだからさんばそう)」では、純然たる舞踊として、息のあった舞台をお楽しみ下さい。
長唄 「木六駄」
一昨年、東京三宅坂の国立劇場が老朽化の為に閉場し、日本の古典芸能、特に日本舞踊は本当に大きな打撃を受けています。我々の二人会も立ち上げの時には7,8年後の新しい国立劇場開場を目標にしていましたが、国立劇場の再建は、未だに目途すら立ちません。
それでも活動を止めてはいけない、と今年に入って劇場探しを開始。並行して上演作品には、先年、日本舞踊協会公演で上演された西川鯉三郎氏の「宿の月」の様なほっこりする作品を、と検討を重ね、世話狂言である「木六駄」をさせて頂くことになりました。
台詞がある作品ですので内容は大変分かりやすいと思いますが、まずは、牛飼いをしながら太郎吉が雪の山中を歩いていく場面が見どころ。又、二人が次第にお酒に酔っていい気分で踊り合う場面も楽しく、最後は太郎吉の奇想天外な思いつきにクスっとされるのではないでしょうか。
この作品は何回も再演されているものですが、能舞台での上演は初めて。山道を歩く長い行程を四角い舞台でどのように表すか・・・いつもの舞台とは異なる空間ならではの工夫もしなければなりません。
基氏とは度々共演してきましたが、今回も芝居の息を合わせて、肩の力の抜けた楽しい作品をお届けします。
常磐津「子宝三番叟」
日本舞踊で目出度さを祝う曲といえば定番の「三番叟」。新しい舞台やホールなどのこけら落としでは、今でも必ず「○○三番叟」が演じられますね。
定番の登場人物は翁・千歳・三番叟の三人。翁が「とうとうたらり~」と呪文を云いながら天下泰平、国土安穏を祈り、千歳は翁の呪文を滝の水の音に見立てて、日照りが続こうと滝の水は枯れる事はないと祝言をいい、三番叟は種まきを模して鈴を振って五穀豊穣を祝います。古風な儀式的な要素と舞踊のエンタメ性の両方を有した作品です。
ですが実は、今回の「子宝三番叟」は、翁も千歳も三番叟も登場しません。初世 常磐津文字太夫追善と兼太夫改め二世 常磐津文字太夫の襲名の会で発表された曲で、常磐津の三番叟ものの中では一番古いのですが、曲の冒頭部分が三番叟めいているのみです。
登場人物は大名と太郎冠者。
前半は問答形式で、子福者(こぶくしゃ)の大名が12人の子供を車座に座らせて名を付けたというお話を語り、その名も「まつ、おつ、とり、ちがい、おとよ、けさよ、たつ松、いる松、だんだら、いなごに、かいつく、ひっつく」と何とも妙なものばかりで笑いを誘います。
後半はその子供達の四季の遊びを描いており、正月の羽根つきや毬つき、雛、端午、七夕、重陽のご節句の遊びや、ほたけ祭り、産すな詣の行事が歌詞に織り込まれています。踊りとしては、この後半だけを上演することが多いようです。
今では見る事の出来なくなった日本の古き遊びの風景をゆったりと味わいながら、大名と太郎冠者、主従の軽快なやり取りをお楽しみ下さい。
イベント情報
- 日時
- 2025/09/13(土)16:00
- 場所
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観世能楽堂
東京都中央区銀座6丁目10−1 GINZA SIX 地下3階
- アクセス
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《電車でお越しのお客様》
銀座駅とGINZA SIX地下2階をつなぐ連絡通路が完成しました!
詳しくはこちらよりご確認ください。
能楽堂へはGINZA SIX地下2階は、南側エレベーター、エスカレータが直通となります。
●銀座駅
東京メトロ銀座線・日比谷線・丸の内線 A2出口、A3出口より徒歩2分
●東銀座駅
東京メトロ日比谷線・都営浅草線 A1出口より徒歩3分
●有楽町駅
JR山手線・京浜東北線、東京メトロ有楽町線 銀座出口より徒歩10分
《車でお越しのお客様》
GINZA SIX内に併設の駐車場がございます。
詳しくはGINZA SIXホームページにてご確認ください。
- 費用
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正面席 10,000円
中正面 9,000円
脇正面 6,000円
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