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日本舞踊のお辞儀が表す心

こんにちは、日本舞踊 藤間流師範 藤間翔央(しょうおう)です。
茶道、華道、武道など、日本の伝統文化を習っていたりすると、正座でお辞儀をすることがありますね。でも実は、同じ”お辞儀”でも、和ものによって少しずつ違いがあるということはご存知でしょうか。
というわけで、今回は、日本舞踊のお辞儀についてお話ししていきましょう。

美しさが表す心

扇子を自分の前に置いて、師匠と目を合わせ、三つ指をつき、背筋を伸ばして礼をするー

日本舞踊のお稽古は、礼に始まり、礼に終わります。踊りの中でお辞儀をすることもあるため、日本舞踊では、指先まで神経の行き届いた美しいお辞儀をとても大切にしています。

ただ、今の時代、畳の部屋に入ったり、正座でのお辞儀をする機会って普段の生活ではほとんどありませんよね!お稽古場でも初心者の方にはまずこのお辞儀からお教えしますが、意外と難しいようです。

ポイントとしては、まず、三つ指をついた時に、一旦とまって背筋を伸ばしておくこと。そこから、腹筋と背筋で上体を倒しつつ、頭のてっぺんで相手に気を送るような意識でお辞儀をすると、とても美しいお辞儀になります。日本舞踊のお辞儀では、手は三角をつくるように指先を揃えてついておき、体を倒すにつれて、手のひら全体も自然に床についていきます。

礼のポイント
もちろん、一番大切なのは、お辞儀をする相手への敬意や想いをこめること!相対している相手への意識があるからこそ、自然と背筋がのびて美しいお辞儀になるのです。

お扇子が表す心

また、日本舞踊のお辞儀では、お扇子を膝の前におくのも、よく見かける光景です。
稽古の最初や最後の礼のときには、相対する師匠と自分の間に閉じた扇子をおき、扇子と膝の間に手をついてお辞儀をします。

扇子を置いてのお辞儀
実は、このお扇子をおくという行為は、「自分と師匠の間に一線を引く」という意味で、謙虚な姿勢で踊りを習う、という心の表れなんだそうです。

たしかに、年齢が上がると、人からなにかを素直に習う、というのは難しくなりますね。
でも、扇子を置いて師匠と自分の間に一線をひき、心をこめて礼をすることで、雑念を払い、謙虚に習う姿勢をあらためて取り戻す。日本舞踊のお辞儀には、こんな意味が込められているのです。

たかがお辞儀、されどお辞儀。和ものの世界って、やっぱり面白いものです!
皆さんもぜひ、畳の部屋でお辞儀をする機会があれば、心をこめた美しいお辞儀を実践してみてくださいね。

この記事の著者

日本舞踊 藤間流 師範
藤間 翔央(ふじま しょうおう)

横浜出身の日本舞踊家。和ものびと発起人。
藤間流(勘右衛門派)師範
公益社団法人 日本舞踊協会会員
横浜雙葉中学・高等学校、早稲田大学文化構想学部卒
各流派合同新春舞踊大会 大会賞・奨励賞受賞

2歳より母・藤間恵都子師に師事。15歳で藤間流名取、21歳で藤間流師範となる。24歳より藤間藤太郎師に師事。
日本舞踊協会公演、日本舞踊協会神奈川県支部公演、アナザー・カンパニー新人公演等に出演。日本舞踊協会神奈川県支部主催のワークショップ、横浜雙葉学園の土曜講座、岩間市民プラザ主催のワークショップなどに積極的に参加。
8歳より囃子を望月朴清師に師事。10歳より長唄三味線を成田涼子師に師事。

大学在学時は、文芸創作を中心に演劇や民族舞踊について学び、卒業論文では日本舞踊をテーマとした自作の短編集を発表。大学卒業後、教育系のITベンチャー企業に就職。営業・マーケティングといった約2年の社会人経験を経て、日本舞踊の道に専念することを決意。webマーケティングの経験を生かし、2016年和ものびとを立ち上げる。

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