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子どもたちに伝えたい!日本舞踊の魅力、にほんの魅力

夏は、ワークショップの季節です

皆さんこんにちは、日本舞踊家の藤間恵都子です。あんなに暑かった夏もいつの間にか終わり、風が冷たくなったり、短くなった日に「ああ、秋だなあ」と感じるようになってきましたね。

さて、私にとって夏は、ワークショップ(体験型講座のこと)の季節です。
というのも、子どもたちに日本舞踊を通じて着物や日本文化の良さを知ってもらいたいということで、夏休みにあわせて、各地で様々な日本舞踊のワークショップが行われているのです。この夏も、大勢の子ども達にワークショップをする機会を頂きました。

子どもに扇子の持ち方を教える

でも実は、ワークショップのカリキュラムを作る度に、「日本舞踊のどんな魅力を伝えようか」「どんなことが子供達の宝になるのだろうか」と頭を悩ませています。


子どもたちにとっての魅力

私自身は踊り自体が無条件で好き。洋舞のように「1、2、3、4」とカウントに合わせるのではなく、三味線音楽独特の、伸びたり縮んだりする“間(ま)”を自在に使って踊る面白さにも、何ともいえずウキウキするものを感じます。

でも、初めて日本舞踊に触れる子供達にはこんなマニアックなことをいくら力説したところで通じませんよね (/ω\)、、では、子ども達にとって、何が興味の入り口になるのだろうか。ううむ。日本舞踊の世界から一歩離れて、第三者の目をもって考えてみよう・・・

日本って、素晴らしい

ということで、少し話は飛びますが。最近放送しているテレビ番組「和風総本家」「YOUは何しにニッポンへ」「世界が驚いたニッポン!スゴ~イデスネ 視察団」は、本当に面白いですね!我が家のお気に入り番組です。

和風総本家

ああいうテレビで紹介されている日本の文化や技術を見ると、日本って、いや、日本人ってスッゴイ!!と本当に感嘆してしまう。
日本にいたら当たり前の事に外国人が大感激していて、誇らしくなったり・・・
身の回りのこんな小さなものに、こんな手間がかかっているのか、と頭が下がる思いがしたり・・・
こんな素晴らしい仕事をしているのを知らなくて、申し訳ない気がしたり・・・
こういう日本的な心遣いがいいんだよね~と、ワクワクしたり・・・
外国人の方が、よっぽどニッポンの良さをしっていて、ちょっと恥ずかしくなったり・・・

いろいろと心を動かされます。子どもたちにも、あんな風に、日本って素晴らしいんだよ、ってことを伝えられたらいいな。そう云えば、海外公演の時、開演前に国歌「君が代」が突然流れてきて、とっても感動したのを思い出しました。「君が代」を、あんなにカッコ良く感じたのは初めてだったっけ。

日本の○○は侮れない!

例えば、子どもたちに「日本」として再認識して欲しいのが、「四季」。最近の日本の気候はへんてこりんではありますが、でも、日本の四季はステキです。

春のぼわ~~んとした温もり、ちらりはらりと散る桜の風情。一面の花畑、お雛様。
ツバメが巣をつくった…もうすぐ夏だね。
大きな河原の花火大会、ホタル狩り、ゆかたにうちわ、ビールも美味い。
波の音、潮風の音、入道雲。
おお~こおろぎだ、秋ですね。空の青さ、高さ、清々しさ。
牡蠣や柿、サンマも旨い。
落ち葉拾いに、紅葉狩り。お彼岸。
冬は雪、つらら木枯らし、お正月。人のぬくもりの温かさ。年賀状。
また、一年。

日本の四季

▲【hyogo_1.jpg、chiba_2.jpg、shizuoka_1.jpg、shizuoka_2.jpg】(経済産業省、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス 表示4.0 国際)を改変して作成

日本舞踊では、舞い散る桜を愛でたり、夏の祭りに遊ぶ人々の様子を表現したり、虫かごに入れた虫の音に耳をすませたり、寒い日に雪見酒を楽しんだりと、季節と共にある仕草(しぐさ)・振りが自然に出てきます。
こうした日本人の四季を楽しむ感性は、無意識に近いけれど、本当はもっともっと意識しないといけない位の価値があると、私は思います。日本人のすべてのことが、この素敵な感性から生まれている、と思うから。

ぜひ、日本舞踊を通じて、日本の子どもたちに、世界に本当にたくさんある国の中で「にほん」に生まれてよかった、と思える価値を伝えたいですね。

この記事の著者

日本舞踊 藤間流
藤間 恵都子(ふじま えつこ)

日本舞踊家。藤間流(勘右衛門派)師範。公益社団法人 日本舞踊協会 委員。日大芸術学部演劇学科日舞コース講師。母・藤間勘十代、藤間藤太郎に師事。NHK邦楽番組に出演、海外公演多数。平成2年より現在まで、リサイタル「恵翔会」9回開催している。韓国芸術総合学校の招聘講師を務めた。主な受賞歴は、日本舞踊協会新春舞踊大会1位・文部大臣奨励賞、花柳寿應賞第9回新人賞、舞踊批評家新人賞、平成12年度文化庁芸術祭優秀賞、松尾芸能賞新人賞、平成19年度文化庁芸術祭優秀賞。

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