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舞踊

人を惹きつける地唄舞、その2つの魅力

地唄舞の魅力とは

こんにちは、地唄舞 花崎流の花崎 杜季女(はなさき ときじょ)でございます。今回は、私が思う地唄舞の魅力についてお話ししたいと思います。


極限まで削ぎ落としたその先に

地唄舞の魅力。これは、まず、内に秘めた動き、演出、演奏などから、見者の想像力を無限大に掻き立てることではないかと思います。

日本には昔から、歌舞伎の語源「かぶく」ということばに表されるような奇抜な文化、そしてその対極にあるわびさびの文化があります。
地唄舞は、演者のエネルギーを大きく外へ放ったり、大仰な演出で見せるのではなく、逆に余計な動きや演出をひたすら削って削って削っていくことで、近い距離、狭い空間に共生する人々(演者と見者)の感覚を研ぎ澄まし、そこに広大で限りのない世界を作り出していくのです。

実際、六瓢庵で開催いたしました第一回公演では、「演者の息遣いが感じられた」「演奏が木の空間に響き、空間に包まれて演者と一体になった」「手先指先にまで、しっかり思いが行き届いているのが解った」などのお言葉を頂きましたが、こうした感覚を演者と見者とが共有できるというのが、地唄舞の何よりの魅力だと思います。


女性の持つ美、動きの美

そして、2つめの魅力は、女性のもつ強さと美しさを追求した動きの美です。


息遣いの感じられる空間で 足全体を浮かさず、滑るように歩くすり足や、重心を低くし、腰を落として舞う動きなど、土(地面)と天を常に意識した、なめらかで安定した動き。
体の外側を大きく動かすのではなく、呼吸を使って内に絞る動き。
周りの空気を乱すことのないよう、指先、足先まで神経を行き届かせた静かな動き。

こうした動きの美しさが、その場にいる人々の心を惹きつけ、また鎮めるのではないでしょうか。地唄舞の場では、この動きから生まれる呼吸が空間全体で一体化していき、「心がとても落ち着くわ」などのお声をいただいたこともあります。

ということで、私が思う地唄舞の魅力を簡単にご紹介しましたが、いかがでしたか。まだ地唄舞を見たことがないという貴方も、ぜひ一度、地唄舞の魅力に触れてみてくださいね。

この記事の著者

地唄舞 花崎流 家元
花崎 杜季女(はなさき ときじょ)

昭和の地唄舞の名人神崎ひで師に師事、後にひで師の高弟ひで女師(後の閑崎ひで女師)の元で関東の地唄舞を学ぶ。毎年花崎流地唄舞の会、リサイタルを国立劇場、紀尾井ホールなどで主催する一方、平成22年、東京都港区に地唄舞普及協会を設立。国内・海外でのワークショップ、和講座案内人、小学校講師を務める。現代に生きる地唄舞の可能性を追い求め、海外の伝統楽器、ジャズ、朗読とのコラボ、美術館とのコラボ、被災地いわき市民俗芸能との鎮魂公演など多ジャンルとの活動を広く行う。海外公演、事業には、港区、東京都、国際交流基金、Eu・Japan Fest、東京倶楽部などよりサポートを受けて活動。平成28年年末より三鷹に「六瓢庵」(予定)という和もの文化を身近に味わえる空間を開場予定。東京と広島で教室を開講。

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