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舞踊

貴船神社と下鴨神社の奉納舞を終えて

自然に溶け込んで舞う、人の賑わいの中で舞う

皆さまこんにちは。地唄舞の花崎杜季女でございます。
このたび、京都在住の若柳志寿様よりご縁をいただき、3月31日に貴船神社、4月1日に下鴨神社で奉納舞を行ってまいりました。それぞれの神社での奉納舞によって感じたことをお話しさせていただければと思います。


貴船神社にて想う

貴船神社では志寿さんが「雪」、私が「滝づくし」を奉納させて頂きました。
舞わせて頂いたのは貴船神社奥宮の拝殿で、本宮をもっと奥に上った、山に抱かれた場所にあり、原始の山岳信仰を身体で感じられる空間でした。

貴船神社は現在、地唄舞にもある「鉄輪(かなわ:能を題材とした作品。夫を愛人に奪われた女性が貴船神社に丑の刻参りをし、鬼女になって夫と愛人を殺そうとする)」や、縁結びなどで知られていますが、元は水の供給を司る神「たかおかみのかみ」を祀ることから始まった神社です。

貴船神社
拝殿に登ると、風水の音と香りに抱かれた、まさに貴船の由来である「気生根(きふね:「気の産まれる根源」が転じて「気生根」になったともいわれています)」に圧倒されるような場所が。奥には滝もあり、まさしく、自然に溶け込み舞わせて頂くことができました。


下鴨神社にて想う

下鴨神社は、貴船神社とはうって変わって京の町中にある神社です。
ここでは、志寿さんとご一緒にそれぞれの流派の「京の四季」、志寿さんの「茶音頭」、私の「万歳」、そして、上方唄「御所のお庭」の奉納をいたしました。

「京の四季」は、あえてそれぞれの流派の舞の型を変えることなく舞ってみたのですが、これが意外なことに、不思議な調和がありました。普段ひとりで舞う舞とは違うけれども、ばらばらではない、不思議な調和を感じられたのです。

そして、下鴨神社の奉納は、自然に抱かれた貴船神社とは異なり、結婚式、観光、御詣りの方たちが行き交う、古の京の大路もさもありなんの賑わいの中、「橋殿」にて行われました。

御詣りの行き帰りの方、結婚式の待ち時間でお立ち寄りになる方、観光写真の一つとして撮影する方・・・
たくさんの方々が入れ替わり立ち代わりでご覧くださる光景に、屏風絵などで見る昔の境内の賑わいがふっと重なりました。

歌舞伎の祖となったかぶき踊りを創始した出雲の阿國(いずものおくに)たちも、こういった賑わいのなかで舞って芸を磨いていったのだと、腑に落ちたのです。この喧噪の中で、自分の芸に目をとめて頂くための修業は、どんなにか厳しいものだったことでしょう。


自然や行き交う人々の中で舞う舞は、普段の地唄舞とは違った気づきを与えてくれます。
この2か所の奉納を終え、自然、人間、共に舞に大きな力を与えてくださるものだということをあらためて実感いたしました。

もしご興味がおありでしたら、以前の厳島神社での奉納舞の様子もご紹介しておりますので、そちらもご覧くださいませ。

この記事の著者

地唄舞 花崎流 家元
花崎 杜季女(はなさき ときじょ)

昭和の地唄舞の名人神崎ひで師に師事、後にひで師の高弟ひで女師(後の閑崎ひで女師)の元で関東の地唄舞を学ぶ。毎年花崎流地唄舞の会、リサイタルを国立劇場、紀尾井ホールなどで主催する一方、平成22年、東京都港区に地唄舞普及協会を設立。国内・海外でのワークショップ、和講座案内人、小学校講師を務める。現代に生きる地唄舞の可能性を追い求め、海外の伝統楽器、ジャズ、朗読とのコラボ、美術館とのコラボ、被災地いわき市民俗芸能との鎮魂公演など多ジャンルとの活動を広く行う。海外公演、事業には、港区、東京都、国際交流基金、Eu・Japan Fest、東京倶楽部などよりサポートを受けて活動。平成28年年末より三鷹に「六瓢庵」(予定)という和もの文化を身近に味わえる空間を開場予定。東京と広島で教室を開講。

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